歌舞伎座は暑い季節の出しものです、巨大な滝に本水が流れ大幹部がずぶ濡れで立ち回りをする、二階の通路でまでチャンバラをする、宙乗り、西遊記の夢、長唄出囃子で華やかに総踊り、肩が凝らず他愛のない舞台です。ただ春永・久吉でなく信長・秀吉なのは史実などより芝居が好きな観客としてははどうも、なまじ芝居者の根性をのぞいたからかな。そして喪失感一つ、主役はどうした、軽々と愛敬一杯で舞台を大きくしたあの人は今